貞本義行自らが自信をもってセレクトした一品です。
他の作品同様、貞本本人により色の再現性を厳しくチェック。
もちろん、直筆サイン入り。
東京キャラクターショーでも、その品質の高さは好評を頂いております。
版画の技術は歴史的に見ても、印刷技法が変わると共に変遷してきました。
また、版の材質そのものも、印刷技術の変化や新たな材質の登場によって変遷してきました。現在は原版そのものがデジタルになってきました。
ところが印刷では、本来RGBで描かれたカラーをCMYKという分版により、カラー変換して印刷しています。そのため、作家がRGBで描いた絵の色そのままを通常の印刷で再現することは難しいのです。
しかし、このジクレー版画はRGBで描かれた色や筆致までも原画そのままに再現できる、新しい版画の刷り技法なのです。
ジクレー版画の原理はプリンターによく似ていますが、実は絵を再現させる技術や仕上がりは全く違うものです。
版画でいう『絵師』にあたる「作家」のデータを、『刷り師』である「オペレーター」が、原画の色・質感を忠実に紙に再現するために細部に渡って調整し、モニターで見る色そのままに近づけるよう、出力再現したものです。
また、霧のように細かい粒子で色を重ねていくので、これまでの技法では表現できなかった色の濃淡や、微妙な色彩・タッチまでが再現されていきます。
このように、確かな絵と、確かな再現技術とが出合う事により初めて、上質な版画を製作することが可能なのです。
この作品は、ジクレー版画の手法の一つであるプリマグラフィにより製作されています。
作家である貞本義行が再度手を入れた原画データを、プリマグラフィ製作の最高技術を持つ凸版印刷のオペレーターと、綿密な調整を行いながら作られたものです。
本物の絵の良さをどうぞお楽しみください。