2017/04/01〜04/30 PARKS パネル展パネル展

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2017/04/01〜04/30 PARKS パネル展

      
▽ 100年目の公園から始まる   1960年代と現在、そして未来の物語 

2017年5月に、開園100周年を迎える井の頭恩賜公園。吉祥寺の街とともに歩み、戦前からの長い歴史を通して愛されてきたこの公園を舞台に、画期的な映画が誕生した。 『PARKS パークス』が描くのは、公園の過去、現在、そして未来。50年前に作られたひとつの曲が引き金となり、1960年代の恋人たちの記憶が、2017年の吉祥寺に生きる若者たちの夢と冒険につながっていく。さまざまな人々が忘れがたい時間を共有し、やがて去っていく公園のような映画。かぎりなくオープンで自由で、祝祭の高揚感にあふれながら一抹の哀切な後味を残す、極上の青春音楽映画が完成した。企画を立てたのは、ファンに惜しまれながら2014年に閉館した吉祥寺の名物映画館「バウスシアター」のオーナー、本田拓夫。「映画館の終わりを映画の誕生のきっかけにできたら」という思いが、本作の制作を実現させた。
 


吉祥寺・井の頭公園の脇に建つアパートに住む大学生の純(橋本愛)は、最近なにもかもがうまくいかない。同棲するはずだった恋人とは別れてしまい、大学からは留年の通知が届く。なんとか卒業しようとゼミの担当教授(佐野史郎)を訪ねて交渉し、アパートに戻ると、見知らぬ高校生のハル(永野芽郁)が訪ねてくる。亡くなった父親の晋平(森岡龍)について小説を書こうとしていたハルは、晋平が保存していた昔の恋人、佐知子(石橋静河)の手紙を読み、その住所と50年前の写真を頼りに吉祥寺にやってきたのだった。

ゼミのレポートの題材になるかもしれないと思いつき、ハルと一緒に佐知子を探すことにした純は、アパートを管理する不動産会社の担当者に頼み込んで、オーナーの寺田さん(麻田浩)の連絡 先を教えてもらう。ふたりを自宅に迎え入れた物静かな寺田さんは、佐知子と晋平のかつての友人だった。寺田さんの情報をもとに佐知子の現在の住まいを突き止めた純とハルは、そこで孫のトキオ(染谷将太)に出会う。佐知子は少し前に脳梗塞で亡くなっていた。そしてその数日後、トキオは祖母の遺品のなかにオープンリールのテープを見つける。

ヤフオクで入手したオープンリールにテープをかけてみると、ノイズまじりに流れ出したのは、若いころの晋平と佐知子の歌声だった。「君と歌いたい曲がある/それはこんな曲で/僕らの物語は/この公園から始まる……」テープが傷んでいたせいか、音は途中で途切れる。「公園って……この井の頭公園のことだよね?」興奮した純、ハル、トキオの3人は、曲を完成させようと決意する。だが純は高校生のときギターを触ったことがある程度、ハルはリコーダーが吹けるだけ。トキオは機材のセッティングやサンプリングやラップは得意だが、楽器は弾けない。バンドメンバー探しが始まる。子供たちにピアノを教えていたキーボード奏者(谷口雄)、パンクバンドの紅一点ベーシスト(池上加奈恵)、本業は大工のドラマー(吉木諒祐)、公園で演奏していた謎のギタリスト(井手健介)をリクルートすることに成功した純たちは、曲の新しいアレンジに取り組む。

そんなとき、「吉祥寺グッド・ミュージック・フェスティバル」(通称「キチフェス」)の運営に関わっている純の友人でイラストレーターの理沙(長尾寧音)が、フェスに出場しないかと誘ってくる。気おくれする純を説得して、出場を決めたトキオと他のメンバーたち。曲のアレンジと練習は順調に進み、ついにフェスの当日がやってくる。だが、本番の直前に、思わぬアクシデントが起きてしまう。60年代の曲を2017年に復活させようとする純たちの試みは、無事に成功するのだろうか?