2003年、日本国破産「警戒編」
 
 
 
  デフレ(不況)よりもっと恐ろしい出来事がやってくる!・・・瞬間20%(年率)のインフレ、1ドル=200円の超円安、消費税35%、長期金利10%弱、そして得体の知れない不況の到来  
著者
浅井隆
出版社
第二海援隊
定価
本体 1200円(税別)
ISBN4−925041−58−4

プロローグ

国が破産したとき、 私たちの生活に待ち受けているものは 二〇〇〇年七月二二日、全世界の注目を集めた沖縄サミットで”珍事”が発生した。 英語能力ゼロといわれた森首相に外務省の担当者は次のように教えた。クリントン大統 領と会ったらまず、「How are you?」(お元気ですか)と言って下さい。

そうすると、大 統領は「 I’m fine thank you,and you?」(私は元気ですよ、あなたは)と答えるでしょう から、すかさず「Me too」(私も元気ですよ)と返事して下さい。あとは通訳の方で全て やりますからご安心下さいと。 ところが、のっけからあがってしまった森首相はクリントン大統領と握手をする際に 「Who are you?」(おまえは誰だ)と思わずいってしまった。ビックリしたもののクリン トンはさすがに手なれたもので、「 I’m Hillary’s husband」(私はヒラリーの夫だ)とジョ ークを込めてうまくかわした。

ところが自分の英語がまちがっていることに全く気づいて いない森首相は、そのまま「Me too」(私もヒラリーの夫だ)とやり返してしまった。さ すがにこれにはクリントン大統領も絶句した。周囲のおつきの人々も大統領の顔色がみるみる変わるのに気づき、日本側は恥ずかしい思いをしたという。 しかし、これはまだ笑ってすますことのできる出来事である。私たちが本当に注意しな ければならない問題はこうした表面上の出来事ではない。

実は今回のほとんど成果のなか った(むしろ外交上は、日本が世界各国から馬鹿にされているということがこのサミット により、より鮮明となったためにマイナス効果の方が大きかった。ほとんどの国のファー スト・レディーも沖縄にやってこなかった。そうした中で、最大の得点をあげたのはロシ アのプーチン大統領だった。彼はサミット直前に北朝鮮を訪問して注目の人・金正日と会 い、切り札を手に入れて影響力を誇示した)沖縄サミットのために日本政府はなんと八○ ○億円をこえる巨費をバラまいたのだ。

これまでの先進各国におけるサミット予算はせい ぜい八億円から一〇数億円どまりであり、この信じがたい浪費は全世界のマスコミにも報 道されて、日本はまたもや世界の物笑いの種となった。今回のサミットで、日本は恥の上 ぬりをしたことになる。 しかも、このバラまきの裏には、実はとんでもない”事実”が隠されていたのだ。九〇 年代のデフレの影響にあわてた日本政府はここ数年、莫大な額の公共事業予算のバラまき や銀行救済のための公的資金投入を行なってきた。しかも、九〇年のバブル崩壊後もデフ レの到来になかなか気づかなかった地方自治体が、バブル時の景気のよい計画にブレーキ をかけずに壮大な建造物を作り、とりわけ東京の新都庁舎などは納税者が口をあんぐり開 けてしまうほどのあまりにも豪華けんらんな代物となってしまった。

歯止めのきかなくなった国と地方自治体の財政支出は、小渕前政権の大盤振るまいによ ってさらに加速し、いよいよ二〇〇〇年に入って国家破産という時限爆弾が爆発へ向けて のカウントダウンを開始した。いままでは、「まさか」と思っていた経済学者たちもつい に研究プロジェクトを組んでコンピュータによって正確に計算したところ、「九五%の確 率で、そう遠<ない将来、日本国は破綻する!!」という結論を出すにいたった(本文四一 ページ参照)。

それもそのはずで、国民の知らぬ間に、国家と地方自治体と第二の予算である財投の三 つを全て合わせた「借金」と「不良債権」の総額は、ついに八○○兆円(!!)にも達した のだ。これはまさに天文学的数字といってよい。この国の現在の税収(個人でいえば収 入)はわずかに年五二兆円であり、その16倍もの借金の山を私たち国民は背負っている ことになる。 もしこのままの状況を放置すれば、五年を待たずして、私たちの住むこのかけがえのない国・日本は「引き返し不可能地点」(ポイント・オブ・ノーリターン)を突破して、想 像を絶する国家破産の奈落の底へと落ちていくことになるだろう。

その時、私たちの生活に待ち受けているものは金利上昇とそれに続く通貨の暴落であり、 さらにわかりやすくいえば、すさまじいインフレと円安、そして得体の知れない不況であ る。 残念なことに歴史をひもといてみればわかることだが、ローマ帝国以来、国家破産した 国では必ずすさまじいインフレ(特にそれが年率一〇〇%を超えるようなものをハイパー インフレと呼ぶ)と大混乱が起こっており、国民生活は無惨にも破壊されている。 本当にそのようなことが近い将来この日本で起こるかどうか、いま私たちは瀬戸際に立 たされている。その意味で、本書は数年後に日本で起こるかもしれない”事態”に対する 警告と対処法の書である。

 

 

 

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