開放区
著者
木村 拓哉
出版社
集英社
定価
本体価格 1900円+税
第一刷発行
2003/04    ISBN 4-08-780377-5
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神様からの2番目の奇跡は、いっしょに生きていく人と知り合うタイミング。恋愛だけじゃなくて、自分にとって素敵だなって思う人と出会えた瞬間、きっと、人は「生まれてよかった」って、実感できるんじゃないかな。
 

木村拓哉の初フォトエッセイ集。はじめて語る恋愛、SMAP、家族etc.…。134枚の写真(本人撮りおろしのプライベートフォト含む)が明かす素顔。“キムタク”ではない“木村拓哉”の本音がそこにある。



 

 

prologue


自分の周りに、

壁のようなものが張り巡らされているように

感じた時期があった。

伝えたい思いを

ダイレクトに届けられないもどかしさ。

そんな目に見えない壁を取り払うために、

自分自身の心の中を開け放ちたかった。

『開放区』と名づけたエッセイを始めて8年。

そのとき感じたことを、

正直に、写真と文章で表現してきた。

今回、一冊にまとめるにあたって、

あえて、時系列に並べなかったのは、

ちょっとしたSURPRISEを

みんなに楽しんでほしいと思ったから。

OPEN AREAに、ようこそ!

 

俺にとって”木村拓哉”は、単なる名前というより、自分の存在そのも
の。
俺のからだを4等分したら、"木"っていう漢字が頭で、"村"っていう
漢字が上半身で、"拓"っていうのが腰で、"哉"が足…。
さわったら、きっと、ゴツゴツしてる。
もし、木村拓哉が木村拓哉であるために、どうしても外せないものがあ
るとしたら、まずは、"クソまじめ”だと思う。
仕事も、遊びも、プライベートも、バカやるときも。
波乗りしてても、時間を忘れてやる。
釣りでもそう。
どんなに釣れなくたって、本気で楽しみながら過ごす。
もちろん、ドラマも、歌も、バラエティーもみんなクソまじめにやる。
あとは"眉間のシワ"。
何かにハマって、自分がその中に入り込んでるとき、眉間にシワができてるらしい。
それは俺にとって、いろんなものを見たり、聞いたり、さわったりして、スイッチが入ったってこと。
よく誤解されるけどね。「なんで、怒ってるの?」って。
"木村拓哉"は親がつけた名前で、生まれたときからそう呼ばれてきたけ
ど、でも、"キムタク"はそうじゃない。
あるとき、自然に発生して、自分の意思とは関係なく、ダーっと世の中に広がっていった。
最初はとまどうこともあったけど、でも、今は"キムタク"と呼ばれることにも慣れてきた。
一応、その存在は認めてるよ。
メシ食いに行って、そこに100人いたら97人は、「あ、キムタクだ」って言う。
楽屋の入りロに"木村拓哉"って書いてあっても、通りがかった人は、「キムタクだ!」って。
よく、漢字に英語で当て字したりするじゃん。"嫉妬"と書いて、"ジェラシー"と読ませるみたいな。
なんだか、そんな感じもする。
"キムタク"って、どうやら公共物らしい。
今でも忘れられない。
数年前、週刊誌系の人に、俺じゃなくて、俺の周りにいる人間を撮られたんだ。
そのとき、直接会って、「ふざけんな」って抗議したら、その人、「木村さんは公人だから、こっちには知る権利があります」って当然のような顔で言い放った。
「あ一、そうなのか」って思ったけど、もちろん、そのことに対して、納得はしていない。
"キムタク"っていうのは、誰でも入れるし、誰でも出ていける、これといった建造物のない、がらんとした公園のようなものかもしれない。
"キムタク公園"では、みんな勝手にいろんなイメージを描いて遊んだり、関心のない人は素通りしていく。
そこでは、木村拓哉の俺自身が遊ぶこともある。
ときどき楽しいけど、いつもは楽しくない…。
自分がやってるラジオで自己紹介するとき、「みなさん、こんばんは。DJキムタクです!」って言うときがあるんだ。
そういうときは、7割が見下してるの、キムタクのことを。
俺、木村拓哉よりキムタクのほうが下だと思ってるからね。
木村拓哉っていうのがトラックで走ってたら、キムタクは、その後ろを追っかけて、ついてきてるって感じ。
けっこう、回り道もしてるみたいだけど。
仕事の現場では、木村拓哉っていうてめえ自身をてめえで見るっていうか、プロデューサー的な目で客観的に見る自分が必要だと思ってる。
自分で自分にやらせる仕事がわかってないと、責任だって持てないし、それは周りに対して失礼だからね。
以前は、仕事の状況は誰かが用意して、自分は単にその一部になってたこともあった。
でも、今は”現場”の人。『スマスマ』だったら『スマスマ』の人。
取材だったら、そこの雑誌の人。
いつも、つくる立場のほうにいる。
いろんな現場で、一生懸命働いてる人たちを見てると、「あ、こういうのっていいな」って思うことがたくさんあるんだ。
だから、今は木村拓哉をやってるけど、たとえば、もう一度生まれ変わって、自分で選べるとしたら、もう木村拓哉にはならない。
1回でいいよ。
パート2はない。
そう思ってなきゃ、先に進んでいけないしね。

(本文P.5〜8より引用)        

 

 

 
 
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