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 65 27歳の決意・92歳の情熱
著者
日野原重明/著 乙武洋匡/著
出版社
中央法規出版
定価
本体価格 1200円+税
第一刷発行
2003/12
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ISBN 4-8058-2420-4
 
“後悔”のない人生とは?仕事・結婚・家族・老い・死・・・世代を超えて、注目の二人が“人生の選択”を語り合う。
 

本の要約

著書『生きかた上手』(ユーリーグ)で、その人生観が絶大な支持を集める聖路加国際病院理事長・日野原重明氏に、スポーツライター・乙武洋匡氏が人生の入り口にたつ一人の若者として、仕事・結婚から老い・死まで「人生の選択」について問い、ともに考えます。
“後悔”のない人生のために何をすべきか? その「生きかた」がたくさんの人に影響を与えている2人が、65歳という年齢差を超えて語り合った注目の対談です。

自然に任せるという生き方/道は拓くのではなく、できていく/目が見えないよりはいいか?/人に希望を与えることで自分も豊かになる/日本人の“出世主義”/結婚で得た「もう一つの視点」/与えられた時間を計ってみる/人生とは悲しみの方が多いもの/戦争という悲劇/ホスピスで見つめた「死」


日野原重明

1911年山口県生まれ。1937年京都帝大医学部卒業。1941年聖路加国際病院に勤務。内科医長、院長などを歴任し、現在、同名誉院長・理事長、聖路加看護大学名誉学長。
人間ドック、ホスピスケア普及に尽力するなど、医師として常に時代の先を見つめ活動してきた。2001年には中高年からの生きかたを説いた『生きかた上手』(ユーリーグ)を刊行、ベストセラーとなる。他に著書として『死をどう生きたか』(中公新書)、『続・生きかた上手』(ユーリーグ)、『生き方哲学』『自分で図る血圧Q&A』(中央法規) など。1999年、文化功労者。

乙武洋匡

1976年、東京都生まれ。大学在学中に『五体不満足』(講談社)がベストセラーとなる。卒業後、「スポーツの素晴らしさを伝える仕事がしたい」との想いから、『Number』(文藝春秋)連載を皮切りに執筆活動を開始。スポーツ選手の人物像を深く掘り下げる眼に定評がある。2002年8月にはワールドカップ31日間の記録を書き下ろした『残像』(ネコパブリッシング)を出版。著書に自伝『五体不満足 完全版』、『乙武レポート』、『ほんね。』(ともに講談社)、『プレゼント』(中央法規)、『W杯戦士×乙武洋匡』(文藝春秋)、『とってもだいすき ドラえもん』(小学館)など。
オフィシャルHP http://www.ototake.jp


オススメな本 内容抜粋

まえがきにかえて─乙武洋匡から日野原重明への手紙

日野原重明様

92−27=65
小学生でも解くことができる、簡単な計算です。
日野原先生と僕との年齢差は、65歳。
実に、先生が65歳のときに僕は生まれたということになります。
先生から見れば、僕など孫のような、もしかしたら、それよりも下の世代ということになるかもしれませんね。
さて、きちんとしたご挨拶をする前に、まずは白状しなければなりません。
実は、今回はじめに日野原先生との対談というお話を出版社から聞かされたとき、僕はあまり積極的な気持ちで受け容れることができませんでした。
恥を承知で告白するならば、先生と顔を合わせ、言葉を交わすことが怖かったのです。
著書を拝読しました。
ぺージをめくるたび、僕の目には眩しい光が射し込んできました。
その光量は少し強すぎて、幾度も目を閉じてしまいたいような衝動に駆られたものでした。
先生の語る言葉には、真実という宝石が埋め込まれている。
人生という豊かで長い道には、哲学という太い背骨が通っている。
すべての行動の礎には、揺るぎない信念が根を生やしている。
僕には、何もないー。
確かな哲学と豊かな感性に満ちた日野原先生と対談するには、僕にはあまりに何もないと感じてしまったのです。
生を授かってからこれまで、様々なことを感じ、また考えながら生きてきました。
しかし、それでも足りないことばかり。
未熟で、自律することのできない自分が腹立たしくてなりません。
『五体不満足』の出版以来、人からは立派だ、強い精神力を持っている、とのお声をいただきます。
ですが、そうしたありがたい評価を受けるたびに、僕は戸惑います。
焦りもします。
何もない、本当の自分を知っていますから。
先生とお会いすることで、僕の未熟な精神が露わになることを、貧しい感性が晒されることを怖れていたのかもしれません。
しかし、それは当たり前のことなのですよね。

92−27=65

僕と先生の間には65年分の開きがあるのですから。
今回の対談、僕は授業を受ける生徒として臨みましょう。
ノートを広げ、ペンを取り、今はワクワクしています。
先生からの教えを受けることで、「何もない」自分から、「まだ、何もない」自分へと変わってゆきたいのです。
さあ、授業の始まりです。
日野原先生、僕らに生きるヒントを与えてください。

乙武洋匡

 

(本文P.1〜3 より引用)

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