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 不倫幸福論
著者
有川ひろみ/著
出版社
幻冬舎
定価
税込価格 1365円
第一刷発行
2004/02
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ISBN 4-344-00475-2
 
ベストセラー『不倫の恋も恋は恋』の著者がおくる、不幸でも刹那でもない、永遠の愛の形「不倫」のすべて。
 

本の要約

不倫を幸福にするのも、不幸にするのも、その恋を選ぶ男と女にかかっている。不倫は人を選ぶのだ――。不倫を究極の恋に昇華するための条件とは?恋愛エッセイ第一人者の書き下ろし最新刊。

[目次]
1 大人の不倫(女のロマンス;男のロマンス ほか);2 愛される女(孤独;強くて可愛い女 ほか);3 愛される男(上質の男;男の矜持 ほか);4 ふたりの愛(ときめき;デート ほか);5 別れる愛(さよならの予感;別れの助走 ほか)



オススメな本 内容抜粋

はじめに

いまあらためて、大人たちに問いたい。
結婚したら、恋をしてはいけないのですか。
もしも、イエスと答えるのなら、それは淋しすぎやしないか。
不倫の恋ならしたくない、と、恋を葬ってしまうのだとしたら、あまりにも人生味気ないじゃないかと思う。
結婚という障害を理由に恋を諦めてしまうことは、いわば精神的に去勢されたも同じようなこと。
そんな大人たちに、夢や希望はあまり期待できそうもない。
不景気でお先真っ暗だと、日本の将来を案じるが、子供たちばかりに未来を託す前に、まずいまの大人たちが夢やときめきを持つことだ。
そうでないと、この国はいつまで経っても萎えたままになってしまう。
そして、大人たちを元気にするカンフル剤、それが恋たのだ。
結婚していても、恋を忘れない。
そんな考えの大人たちが増えると、日本はもっとおおらかで、活気に満ちた国になるだろう。
フランスのシラク大統領は、愛人とその子供の存在が発覚したとき、報道陣のインタビューをたった一言で一蹴した。
「それが、どうしたの?」
その毅然たる態度に、マスコミはそれ以上追及することなく、スキャンダルにならなかったという。フランスという国は、それほどまでに恋愛文化において成熟している。
とはいえ、日本でも「相手の男に家庭がある、それがどうしたの?」と、前向きに不倫の恋をする女たちが増えてきてはいる。
そして、彼女たちは、こう思う。
不倫の恋もひとつの恋。
男と女のおかれた環境こそ違え、その愛は独身同士のそれとなんら変わりはないのだと。
いま、結婚した女が勝ち組で、キャリアはあっても独身の女は負け組と言われたりしているが、彼女たちはそうは思わない。
自分のリズムで、価値観で、人生を歩く。
それをよしとする女たちは、たとえ結婚を望めない不倫の恋であろうと、「ああ、この人を好きだなあ」という気持ちに正直でいることに誇りすら持っているのだ。
不倫の恋は、決して不幸な恋ではない。
不幸だと言われるのは、そもそも当人たちが不幸だと思っているからだ。
恋に前向きになれない男と女は、笑うことよりも苦しむことに、時間とエネルギーを費やしてしまう。
けれど、男が結婚しているとかしていないとかを超越して、ひとりの男と女として前向きに愛し合うことができれば、それはもう究極の大人のロマンスといえるだろう。
不倫、不倫と十把ひとからげに言うが、不倫の恋にも質がある。
あえて言うなら、苦しむだけの泥沼の不倫は、初級の恋。
けれど、男と女が前向きに愛し合う不倫の恋は、上級の恋だ。
私がこの本で書こうとしたことは、上級の不倫をしている男と女の姿である。
互いを理解し、思いやり、純粋に、冷静に心の舵を取りながら、ポジティブに付き合っていく恋人たちの姿を通して、大人たちに、おおいにロマンスを楽しんでほしいと願うばかりである。
現在、不倫をしていて時として戸惑っている人も、過去に不倫で苦い思いをした人も、あるいは、不倫の恋に縁のない人も、結婚して恋を諦めていた人も。
この本を手にして、こんな愛し方をしてみたいと、感じてもらえればうれしく思う。
愛し方は生き方でもある。結婚で勝ったとか負けたとかに囚われるよりも、いちばん大切なのは、生きていくなかで、どれだけ人を愛することができるかだ。

有川ひろみ

 

(本文P. 6〜9より引用)


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