■ 27歳から35歳までの女性へ向けた新女性誌登場 ■
編集長 鉄尾周一さん
マガジンハウスといえば、これまで時代を作りだす雑誌をいくつも生み出してきたが、今回、9月7日には、新しい女性誌「BOAO亅を創刊することになった。どんなコンセプトの雑誌なのか、マガジンパウス・鉄尾周一さんにお話いただいた。 |
─27歳から35歳までを対象とした雑誌とのことですが、なぜ今回、この世代へ向けた新雑誌を創刊しようと考えられたのでしょうか.
「27歳から35歳という世代は、多くの出版社から女性雑誌が出ていて、コアになっている層です。マガジンハウスでは『GINZA』をだしていますが、ファッション性の高い雑誌で、キャリア志向のコンサバ系とはちょっと雰囲気が異なります。『アンアン』は、もう少し若いジェネレーションが中心になります。この世代の女性読者マーケットは、やはり大変大きいですから、雑誌の作り方によっては、これまでの読者とはまた違う読者開拓の可能性が高いのではないかと考えたわけです。また、来年、マガジンハウスは創立60周年を迎えるのですが、創立当初は、月刊平凡や平凡パンチなど、マスの読者を得られて、かつオリジナリティの高い人気雑誌を数多く出してきています。創立60年を迎えるにあたって、もう1度数多くの読者に迎え入れられる雑誌をと考えると、この年代の女性へ向けてオリジナリティのある新雑誌を出すことが必然ではないかと考えたわけです」
─読者層としては、どのようなイメージの女性になりますか。
「独身既婚を問わず、仕事をしている女性がメインターゲットになりますね。かつての肩肘はったキャリア志向の強い女性というよりは、自分らしくあるにはどうすればよいか、どんな風にすれば心地良いかを大切に考える女性たちですね。彼女たちは、“若くてきれい”というよりも、“私らしくきれい”であることに魅力と価値を見出していると思います。きれいになることに欲張りで、そのための投資を惜しまない人たちです。そんな世代の女性たちにフィットする新しいファッションマガジンにしたいと思います」
─雑誌のタイトルがまたユニークですね。
「『BOAO』というのは、A、B、0、ABの4つの血液型を組み合わせて名づけました。血液型は、どんな女性にも当てはまり、その裏には幸せが隠れているイメージがあります。雑誌の名前には、人の名前などわかりやすいものもありますが、なじみやすい反面、インパクトが低かったりします。この『BOAO』は、意昧がないようですが、人によって受ける印象はまちまちで、一度覚えたら忘れないタイトルではないでしょうか」
─女性は血液型占いなど大好きですからね。
「そうですね。この雑誌でもキーワードは、ラッキー&ハッピーです。読者ひとりひとりの持っている幸せの鍵、それを最大限に生かして、毎日をハッピーにすごして欲しい、そんな願いを込めています。記事の中にも、血液型占いやいろいろなタイプの新しい占い記事を掲載していく予定です」 ─雑誌全体のメインとなるテーマは、やはりファッション、ビューティになりますか。
「ファッション、ビューティ、そしてスターというのが3大テーマになります。ファッションは、ベーシックでありながら、すこしモード的、ファッション性の高い提案をしていきたいと考えています。働いている女性たちが、ファッションに使えるお金は平均すると3万円から5万円です。ですからその予算内で買える服でありながら、『BOAO』らしいセンスあるコーディネートの提案をしていきます。ファッションの提案の中にも、ラッキー&ハッピーという要素は、随所に入れこみ、ラッキーカラーのこんなアイテムを足すと仕事がうまくいくよとか、初デートのときには、恋愛運をアップさせるこんな色の服がおすすめなどという提案も織りまぜていきます。また、高級ブランドやジュエリーなども取り上げていく予定です」
─ビューティは、どのよう,な切りロになりますか。
「20代後半からもっと気になるのがスキンケア情報ですから、美白や小ジワなどのアンチエイジングについての正しい情報や最新の商品情報、女性たちの肌の悩みに対する的確なアドバイスなどを届けていく予定です。また、仕事やプライベートのシーンにあわせて幸運を呼び込むためのメイク法や、エステ、ネイルケアなど、さまざまな周辺情報も取り上げていきます。さらに、最新のコスメ情報やヘアスタイルなど、読者の要望にあわせたきめ細かい提案をしていく予定です」
─スターについては、どのようにとりあげていくのでしょう。
「注目のスターや女優さんなどのプライベートファッションや、きれいの秘密、本音や私生活などほかの雑誌では見ることのできない素顔を紹介していきたいと考えています。マガジンハウス独自のネットワークを生かして、これまでの雑誌とは一線を画したスターに関する記事になると思います」
─連載記事や、・その他のテーマについてはいかがでしょうか
「血液型占いはじめ、当たると評判の占い、恋愛や結婚にまつわる読み物、お金やキャリアのこと、健康、ダイエット、おいしいお店情報、インテリア、旅など、女性が興味を持っていること全般について取り上げていきます。連載記事としては、林真理子さんに読みきり短編小説を書いていただいたり、渡辺満里奈さんや酒井順子さん、美容ジャーナリストの齋藤薫さんに連載コラムをお願いしたり、キャスターの進藤晶子さんには、車に関するコラムをお願いするなど、いずれも読者の共感をよぶものになると思います。モデルのSHIHOさんにも、毎号ご登場いただいて、カップルで楽しむファッションを展開していく予定です」
─マガジンハウスの雑誌というと、外人モデルというイメージがあるのですが。
「『BOAO』では、日本人モデルを起用していきます。最近は日本人モデルが流行っているということもありますし、リアリティという点でやはり日本人モデルの方がよいと思います」
─競合あるいは類似誌というのは、どのあたりになるとお考えですか。
「やはり『オッジ』や『バイラ』、『クラッシイ』などになるかと思います。同世代の女性をターゲットにした女性誌では、取り上げるテーマはほとんど同じで、ただ切り口や視点がちがうだけだと思います。その中で、『BOAO』らしさを読者に理解して頂いて、好きになっていただきたいと考えています」 ─マガジンハウスらしさを期待する声も大きいと思われますが。
「よくそう言われるんですが……。でも、逆にマガジンハウステイストって何?って思うんですよね。最初からマガジンハウステイストを出そうと思って作っているわけではなく、結果として出てきてしまうものだと思うんです。それに、読者にしてみれば、どの雑誌をどこの出版社が作っているかというのはあまり意識していないと思います。実際に読んでみてこの雑誌が面白いから、好きだから、という理由で選んでいると思います。ですから、この『BOAO』も、早く多くの読者の方に気に入っていただきたいと願っています」
─読者との双方向的な展開はあるのでしょう。
「ボアオブレーンという形で、モニタリング調査にご協力いただいたり、アンケート調査などにご協力いただいています。読者モデルも募集したところ、全国から2,000人に近い応募がありました。創刊号には、応募してくれた方々から選びました読者モデルも登場する予定です」
─創刊号の内容について少し教えていただけますか。
「創刊号では、秋冬ファッションの立ち上がり時期にあわせて、ジャケットについて大特集を組みます。ビューティでは、齋藤薫さんと藤原美智子さんによるラッキーとハッピーを手に入れるためのメイクについての特集記事を掲載します。そのほか、血液型による最新占い記事も充実させています。表紙については、この雑誌を象徴する女優の方にご登場いただく予定ですので、こちらも楽しみにしていてください。さらに、創刊号特別企画として、16ページにわたって読者プレゼントを予定しています」
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