ルート３５０　古川　日出男　著　ＢＯＯＫＳルーエのＮＥＴ通販

　ルート３５０

著者	古川　日出男　著
出版社	講談社
定価	税込価格　1,575円
第一刷発行	2006/04
	ISBN　4-06-213391-1 　★　会員登録はこちら（1500円以上で宅配送料無料）⇒

「これは、僕としては初めてのストレートな短編集だ。」――古川日出男

僕の前に路（ルート）はある！
――小説の地平を切り拓く、著者初の衝撃短編集――
小説の未来を、世界の未来をここに読め！

江國香織氏、豊﨑由美氏絶賛！
「ほんとうに疾走している。何がかといえば、日本語が。そのおもしろさが、古川日出男の小説にはつねにある。物語というものの本質も。」――江國香織氏（小説家）
「いっぱいの現実といっぱいの絵空事。何十、何百もの小説へと続く可能性を秘めた虚実のあわいを走るルート350。ただの短編集だと思ってたら大ケガするぜ。」――豊﨑由美氏（書評家）

オススメな本　内容抜粋

１

彼女がバッハの冒険について語る。
「絶対に忘れちゃならないのは、これがぜんぶ作り話だってこと。いい？最初にこのことだけ
は確認しておかないと。いちいちリアルだとかリアルじゃないとか追及しないでほしいんだ。作
り話ってゆうか、現実のレプリカって思ってくれてもいいけど」
「レプリカ？」
「うん、模造品。それってレプリカって言わない？似ているけど本物じゃないやつ。だからあ
たしの話、筋が通らないところがあったってオーケー」
「オーケーなんだ？」
「了解した？」
「まあだいたい」と私は言う。「それでバッハって？」
「うちで飼ってたハムスター」
「ハムスターの……名前？」
「うん、手乗りハムスターのね」

（本文Ｐ. 9より引用）

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