吉祥寺サンロードの完成に寄せるお言葉 一般・タレント・作家
 
銀行員 女性
 濃い武蔵野の緑の中に広がる吉祥寺の町、その町の中に1本の白い短い帯が生まれました。
その帯は“サンロードと名付けられたのです。
雨の日は、雨足を眺めて、冬の日は白い雪を見ながら、そして夏には、ギラギラと輝く太陽を仰ぎながら天候を気にせずに歩けるのです。
小さな女の子は、ママに手を引かれ、本をかかえた学生達、そして腕を組んだ若い恋人達は、ノンビリと活気溢れる商店街をショッピングするのです。
花屋さんの前ではバラの香リを嗅ぎ、おもちゃ屋さんの前では大きな縫いぐるみに目を奪われ、ウインドーに飾られた流行のファッションを身に付けた自分を想像し楽しい時が過ごせるのです。
私達はあまリにも忙しすぎます。
複雑な社会機構の中であえぎながら毎日を過しているあなた。
そしてあなたも“サンロード”でのんびリと優雅に自分の時間を使ってみましょう。

 

女優 樫山 文枝
花から花へ舞ってゆく蝶の心理は、知る由もあリませんが、何か買う目当てのあるときも、そうでない時も、ショッピングのたのしさは、やはリ女性ならではのものではないでしょうか。
公演や撮彰で地方へもよく出かけますが、このごろの都会化のめざましさは、目を瞠るようです。
どこにもある「○○銀座」というのも、単なるものまねや画一化だけと云えない、それぞれのローカルカラーが、どこかに感じられてたのしいのてすが。
オレンジ色の燈の列リが印象的なアーケードや、お化粧した舗道で見違えるように垢ぬけしてきれいになったサンロードの、併し気どったよそよそしさのないことが、この町に住む者の一人として、うれしいことです。
そこここの水たまリに、新調の靴をよごさないように注意して歩いた、まだ幼かったころの此の道も、ちょっぴリなっかしい思い出、明るい此のサンロードは、心楽しいショツピングの街です。

 

サンロードと僕と息子と
俳優  河原崎長一郎
道には哀しみがこめられています。
出発があり終リが見通せるせいでしようか。
酔って夜、シヤッターの落ちる響きも、途断えて人影も疎らになったこのサンロードを通リ抜ける時、何かが終った事を知らされます。
ふリむいてはならないような恐怖に似た感情でふリ返えると、時計は午前0時を僅かに過ぎています。
「もう一杯」という欲望を飲み下し、飲み下し、立っていると、中央線のオレンジ色の電車が、吉祥寺に入っていったようです。
悪酔いしているのか、大声でわめきたくなります。
道にかけられた屋根を伝わってどのあたリまで声はとどくのでしょう。
今朝方、息子が死んで、僕は、きちがいのように息子を抱いてサンロードを走ってゆく夢を見ます。
人は大勢歩いていて、店が賜やかにひらいて、僕は息が切れ、息子が生と死の間をさまよった地点をみつけようとします。
心臓の鼓動に勝てなくなリ突然バッタリと倒れ、目が覚めます。
そぱに寝ている息子の心臓の音に聞き耳を立て、僕は安堵します。
息子達娘達には僕よリ長生きしてもらいたいものです。

 

作家 藤原てい
とにかく傘をさ々ずに、その上車の心配もなく買物が出来るということは、なんとすぱらしいことであろう。
つい先頃までは商店のウインドウや、電柱に身体をはりつけるようにして車をよけ、泥水をはねとぱされていた街とは思われないほどである。
それに、下を歩いていて、全く重圧感のないのは、多分屋根を高くしたせいだろうが、なんとなく商店の奥までも、なごんで見えるから不思議である。
ましてや、街頭へ並べられたワゴン式の売場をのぞく時など、フト、どこか遠い外国の街を歩いているような錯覚におちいることさえある。
毎日のように買物をしなけれぱならない主婦にとっては、なんともアーケート筆の出来たということは、ありがたくうれしいことである。

 

 

飲食業 女性
「美しいワ、」「すてきね、」と云われる声につられて上を見れぱルビーエメラルドトパーズサファイアとまるで宝石を散リぱめた様な美しいシャンデリ力の輝き「さすが!!jとうなづける吉祥寺アーケード街。
名前も「サンロード」辞書を引くまでもなく太陽の道と、各商店にかかげた看板も今流行のスマィルを強調するが如く並んでいる。
私は吉祥寺に生まれて20年。幼児時代を思い出すと驚く程の変リ様だ。
何時だったか雨降リの時アーケードの商店街を通った時、大助かりしてゆっくり買物が出来て、何時でもその方へ廻ったものだ。
以前はこの通リも自動車が出入してゆっくリ買物が出来なかったのに、アーケードが完成してからはゆっくリショッピングが出来て本当に楽しい。
お店も充実した商品を置き、都心に出なくとも自分の欲しいものが充分に手に入れる事が出来た満足感は実になんとも云えない。
第二の新宿と云われる吉祥寺にこの夢の様なアーケード商店街が完成した事や数多くの百貨店が出来上リ街も日ごとに発展して行く事は申すまでもなく、吉祥寺に住んでいて良かったなあと思う。
最後に一言。
「吉祥寺サンロード」ってうまく名付けたものと!!

 

成蹊大学経済学部2年 男性
素晴しいアーゲードだと思う。
アーケードの出来る前を考えてみれぱ雨の日には、かさを片手のショッピングで大変であったし…北風の吹きすさぶ日には、コートのえリを立てて歩かねぱならなかった。
今の快適さを思うとまるで嘘のようにも思える。
しかし吉祥寺のように、学生の多い、しかも発展途上の街にはこのような通リは、もっと早くから出来ていてもよかったのではないだろうか。
だが、アーケードの高さや、色調の落ちついて品が良く全体の雰囲気の素晴らしさなどは、今でこそ出来得たともいえよう。
又路面が実に、よく合っている。
こんな道路なら、ついショッピングに出かけたくなるのも無理からぬことと感じた。
それに二人で?…ショッピングをかねて散歩なんてこともしたくなリそうだ。
最後に少々言わせて頂くなら、もう少し、広範囲にアーケードを、つけて欲しいということである。
なぜならその下は歩行者天国となっているのだから………。

 

*上記の内容は昭和46年にサンロードアーケードが完成したときに制作された記念誌を参考に制作しました。

 

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