タマゴ
そろそろタマゴに対して特別な気持ちを持つのはやめにしないか。
たとえば近所のレストランのスペシャルハンバーグがそうだ。
普通のハンバーグとの違いは、上に目玉焼きが乗っていることだけ。
それをもってスペシャルとはどうだろう。
冷静になりたまえ、そこにあるのはタマゴじゃないか。
「タマゴをふんだんに使いました」といったふれこみの洋菓子にグッとくるのも卒業
したい。
いいか、気をしっかり持て、タマゴがちょっと多めというだけじゃないか。
おでんにおけるタマゴの地位も必要以上に高い気がしてならない。
よく考えろ、タマゴがそんなに偉いのか。
確かに栄養とおいしさは認める。
しかし、いつまでもタマゴを豪華だと思っている自分でいいのか。
自分という人間がそこで終わりになってしまいはしないか。
僕はタマゴの先にあるなにかを見据えていたい。
とりあえず、社員食堂で出てきた中華丼に入っているウズラのタマゴの数を人と比べ
るのはもうよそうと思う。
サンタクロース
通勤途中、近所の保育園を通りかかると子供たちの元気な歌声が聞こえてくる。
それはほほえましくていいのだが、歌っているのが「あわてんぼうのサンタクロー
ス」というのはどうなんだろう。
暦はまだ4月、いくらなんでもあわてすぎ。
歌っている子供たちにしたって、本当に現れたりしたらどうかと思うだろう。
サンタに会えたうれしさに先立つ不信感。
若い女性保育士から浴びせられる疑惑の目。
「おいおい、あくまで歌だろう」と保育園児につっこまれるサンタクロース。
あわててるにも程がある。
ついうっかりでは済まされない早さ。
この時期にサンタルックで街を歩いていてもサンタだとは信じてもらえない。
結局地域住民に通報され、不審者扱いで事情聴取だ。
「あわてんぼうのサンタクロース」、そんなサンタのかなしみを歌った佳曲。
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