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 少女  ハヤカワ・ミステリワールド
 
湊かなえ/著  出版社:早川書房 定価(税込):1,470円  
第一刷発行:2009年1月 ISBN:978-4-15-208995-3  
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始まりは一通の遺書だった   このまま生きていくのって、ちょっとムリっぽい。リセットするね。バイバイ。
 

本の要約

〈ハヤカワ・ミステリワールド〉ベストセラー『告白』の著者が放つ、書き下ろし長篇。高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?


オススメな本 内容抜粋

遺書

子どもなんてみんな、試験管で作ればいい。
選ばれた人間の卵子と精子で、優秀な人間だけを作ればいい。
それがムリなら、生まれた子どもは全員、国の施設か何かに収容されて、成人するまでそこ
で育てられれぽいい。
同じ服、同じ食事、同じ部屋、同じ教育、同じ保護者……。みんな平等な環境を与えられて。
そのなかで、努力と才能が足りなくて、落ちこぼれてバカにされたり、性格が歪んで迫害さ
れるのなら、仕方がない。
勉強もスポーツも、見えないところで努力した。本もたくさん読んだし、音楽もたくさん聴
いたし、ファッション誌もチェックした。だからといって、それを誇示したりはしなかった。
選択肢が限られている田舎町で、自分に妥協しない高い水準をキープするのは難しい。でも、

毎日努力を重ねてここまで生きてきた。
迫害されるようになってからも、努力は怠らなかった。
自殺は敗北宣言だ。そんな恥ずかしいこと、絶対にするもんか。そう自分に言い聞かせなが
ら、卑屈になることなく、前向きに耐えてきたつもりだ。
こんなことになったのは、自分のせいではないのだから、いつか必ず解放される。
──そう信じて。


(本文P. 5〜6より引用)


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